《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》から端を発したデッキ構築だが

ピック優先順位
1.インスタントかソーサリーの除去
2.生物

冷静になって考えてみると別に《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》が無くても、序盤を除去で捌いてファッティで締める戦略はそのままランプデッキに当て嵌まる構築だと気づいた。

除去コントロールデッキの強味といえば相手がどんな色のどんなデッキであろうとクリーチャーを使ってビートする=つまりベクトルが同じデッキであればオールラウンドに対処ができる事だ(クリーチャーデッキに滅法強い)。そしてドラフトの主となる勝ち手段はクリーチャーで殴り勝つ事である以上、そのほとんどのデッキに対して有効と言う事になる。逆に言えば対戦相手がどんなビートデッキを使って来ようとも捌ききれなければ存在意義は失われる。

ただビートする全てのデッキに有効とは言ったもののソレは理想論であって現実に40枚のカードで全てのデッキに対して勝てるように構築するのは難しい。だがアーキタイプも判明していないようなメタが混沌とした環境初期ならまだしも、強力なアーキタイプの確立と共に警戒するべき嵌めパターンが分かればそれらをメタった構築も難しくはないはずだ。

ここから①の最後に書いた内容へと繋がってくる。↓
今回は攻め手に軸のずれたクリーチャーを多く採用しているデッキ(青白、青黒、白緑)をメタのトップに持ってくる所から構想がスタートした。

赤緑の弱点

弱点その1.飛行クリーチャー
赤緑は飛行クリーチャーが存在しない。より正確に言えば、序盤に出てくる相手の2~3マナの低マナ域の飛行クリーチャーを止めるクリーチャーが存在しない。除去コンデッキだからと言って除去は有限であり貴重なカードなので極力使いたくないのが実情だ、除去を使わないとそのまま死んでしまうので結局除去で対処せざる終えない。だが相手の場にポンポン出てくる《礼拝堂の霊/Chapel Geist(ISD)》に対して2枚も3枚も《硫黄の流弾/Brimstone Volley(ISD)》を使うわけにもいかないし、都合良く取れてるor引けてるとも限らない。

・飛行対策
《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》
クリーチャーはクリーチャーで止めたいので序盤を耐えるのに最適なのが《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》だ。効果もさることながら環境の除去に対して耐性があるのがその強み。《閉所恐怖症/Claustrophobia(ISD)》《信仰の縛め/Bonds of Faith(ISD)》は効果を止める事は出来ないしタフネスも3有るので《死の重み/Dead Weight(ISD)》でも死なない。そもそも脅威となりえない《防衛》持ちのクリーチャーに対して貴重な除去を打つ事が躊躇われるお陰で心理的に除去が打ち辛いというのも大きい。また仮想敵の青白黒は安価にアーティファクトを破壊する手段が存在しないので盤面から消す場合は戦闘or除去なわけだが《防衛》持ちのカカシは自分で殴りに行く事はないので、ブロックの有無はこちらの判断で行える為戦闘でもほとんど死なないのだ。

1体場に出るだけでもゲームをスローダウンさせるのは十分だが2体出た時に相手の飛行クリーチャーが完全に沈黙するのでデッキに2枚は欲しいカードだ。

また軸のずれたビートだと《威嚇》持ちの《幽体の乗り手/Spectral Rider(ISD)》に対してもアーティファクトという事でブロックが可能な上、そのままだと一方殺できるパワーとタフネスをカカシは持っているので地上にもにらみを利かせる事が出来る。

《ソンバーワルドの蜘蛛/Somberwald Spider(ISD)》
勿論飛行対策はカカシだけでは心許ないので他にも採用する必要がある。そもそもカカシは後半に繋げる時間稼ぎが目的であってカカシ1枚で攻撃を完全に封じることはできない。中盤にかけて到達持ちで飛行を完全にシャットアウトするのが目的なので《ソンバーワルドの蜘蛛/Somberwald Spider(ISD)》はファッティの中でもかなり重要度が高く必然的にピックも優先される。

《ソンバーワルドの蜘蛛/Somberwald Spider(ISD)》>《ホロウヘンジのゴミあさり/Hollowhenge Scavenger(ISD)》>《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》

《継ぎ当ての翼/Cobbled Wings(ISD)》
《片目のカカシ/One-Eyed Scarecrow(ISD)》と《ソンバーワルドの蜘蛛/Somberwald Spider(ISD)》の取れている枚数次第だが赤緑というアーキタイプだと有効活用できる。パワーとタフネスに修正値を得られないのは痛いがそもそも緑のクリーチャーはサイズが大きいのでこの問題点をクリアーできる。序盤は守りに使い後半はファッティに回避能力を持たせる事が出来るのでデッキに1枚は入る。

弱点その2.装備品
序盤のビートを封じる上で装備品対策は必須だ。序盤に出て来た《宿命の旅人/Doomed Traveler(ISD)》が《銀の象眼の短刀/Silver-Inlaid Dagger(ISD)》を持った途端脅威になりうる。またこの環境をやっていれば一度は経験するだろう《不可視の忍び寄り/Invisible Stalker(ISD)》+《肉屋の包丁/Butcher’s Cleaver(ISD)》コンボは避けて通れない道だ。

飛行を始めとする回避持ちクリーチャーの厄介な所はその単体性能もさることながら攻撃力を上げる装備品との相性の良さが上げられる。この二つに対応して初めてこちらのペースに持ち込む事が出来る。

・装備品対策
《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》
赤緑は《帰化/Naturalize(9ED)》も有れば、《茨潰し/Bramblecrush(ISD)》も有るのでどれかを採用していればいいのだがその中でも《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》がお勧めだ。折角赤緑を使っているのだからアドバンテージの取れるカードを優先した方が良いし、他のカードとも相性が良い(後述します)。ただスロットの問題で入ってもメインで1枚だろう。

続きます…力尽きました。
話は若干前後するが構想のきっかけになったカードについて書きます。

《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》
《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》を使っていた際にどのデッキで一番活躍するのか疑問に思った事だ。その時のデッキはたしか赤黒で《飢えへの貢ぎ物/Tribute to Hunger(ISD)》を使いまわして勝ったのだが、赤黒という色の組み合わせがどうも好きになれなかった。序~中盤を支えるコモンクリーチャーが貧弱過ぎて《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》が出るまでに畳みこまれたり、よしんば出たとしても完全に《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》頼みで対処されればなし崩し的に負ける、所割《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》+その他39枚デッキになりやすかったからだ。

《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》は『出してターンさえ帰ってくれば勝つ』ぐらいパワーカードで、適当にデッキに突っ込んでいても回収した除去を撃っていれば勝ってしまうのでその本質が見えにくいのが難点だったので兎に角他の色の組み合わせを模索する事にした。


白は序~中盤を支えるクリーチャーが多く逆に5マナ以上のクリーチャーが居ない為一見かみ合いそうに見えるも《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》用のインスタント・ソーサリーの除去に難があった。白の強い除去は《アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest(ISD)》や《信仰の縛め/Bonds of Faith(ISD)》等クリーチャーやエンチャントに依存していてかみ合わない。回収出来たとしても《叱責/Rebuke(ISD)》や《大物潰し/Smite the Monstrous(ISD)》とニッチなものが多い。見えている《叱責/Rebuke(ISD)》に突っ込んでくるプレイヤーは居ないし、対象が限定されてしまう《大物潰し/Smite the Monstrous(ISD)》は言わずもがな。なにより白は人気色で競争率が高いというのが宜しく無かった。気づいたら卓に居る半数の人間が白を触ってるなんて事もざらな環境で十分な量の白いカードが確保できるとは思えなかった。

結局白という色で《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》は不純物でしかなく、6マナのクリーチャーなんて使わず速いテンポビートをしてた方が強い事が分かった。


次に考えたのが青のスカーブシリーズとのハイブリッドだった。デカブツに繋げるマナ加速の《錯乱した助手/Deranged Assistant(ISD)》、序盤の守りを固めるタフネスの高い《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》や《要塞ガニ/Fortress Crab(ISD)》、《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》を探しに行ける《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》等々。《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》や《錯乱した助手/Deranged Assistant(ISD)》で落ちたインスタントやソーサリーは《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》で回収できるし《静かな旅立ち/Silent Departure(ISD)》を使い廻してるだけで速やかにゲームに勝てるからだ。ただしここでも問題が発生した。

序盤に土地が墓地に落ちてすんなり《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》に繋がらない場合があるのだ。

《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》でスペルやクリーチャーが落ちる分には問題ないのだが土地が削られる事で6マナまで到達するのにもたつくのは頂けなかった。盤面に5マナ有って次のターン《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》を出したいからといって手札の《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》で土地を探しに行くアクションは《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》の使い方の中でも相当弱い部類に入る。

それでも次のターンに着地した《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》が場に残ってくれれば勝てるだろうが対処された時が悲惨だ。本来であれば強いカードを探しに行ける《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》を3マナの《旅行者の護符/Traveler’s Amulet(ISD)》として使い他の強いカードを墓地に落とす行為は非常にリスキーだ。

そんな使い方になるのは土地を削ってしまう《甲冑のスカーブ/Armored Skaab(ISD)》を採用しているからであってスカーブとのハイブリッドという構造上避けて通れないものだった。スカーブのサブ戦略として《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》の2の矢は有効だったが《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》を主軸においたビッグマナ系統のデッキとしては不十分だった。

新たな問題点
白・青を通して思ったのがピックがいまいちかみ合わないという事だった。

例えば初手で《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》を取った場合、極力有効活用する方向でその後のピックも行うはずだ。ピックの指針が除去(インスタント・ソーサリー)に重点が置かれる事になり生物は後回しになる。だが点数の高い《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake(ISD)》等がピックの序盤に除去とバッティングした時に除去を優先した場合、後半では《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake(ISD)》は帰って来ないし他の人間が青をやる確率が高くなる為、青をやりにくくなるのだ。白も一緒で《アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest(ISD)》と《叱責/Rebuke(ISD)》が同時に流れて来た場合、《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》と相性が良いからといって《叱責/Rebuke(ISD)》を取る事はないだろうし《叱責/Rebuke(ISD)》が一周して帰ってくる事もないだろう。

1-1《護符破りの小悪魔/Charmbreaker Devils(ISD)》

1-2《硫黄の流弾/Brimstone Volley(ISD)》or《縫い合わせのドレイク/Stitched Drake(ISD)》どっち取る?

早期の段階でどちらのデッキを目指すか迫られる事になる。


ピック優先順位
1.インスタントかソーサリーの除去
2.生物

結局ピックする上で生物は安くて回収が容易である事が条件となった。


軽い除去(インスタント・ソーサリー)も有り、ピックの後半でも質の高い生物が取れる色となると緑以外他無かった。緑のクリーチャーは供給過多で特に4~6マナ域は大渋滞、決して弱くないにも関わらず後半でも余裕で廻ってくる《ソンバーワルドの蜘蛛/Somberwald Spider(ISD)》や《ただれ皮の猪/Festerhide Boar(ISD)》等々、《蜘蛛の掌握/Spidery Grasp(ISD)》は緑の《叱責/Rebuke(ISD)》だし環境最強レベルの1マナ除去=《捕食/Prey Upon(ISD)》も存在する。サイズだけ見れば破格の《墓所の茨/Grave Bramble(ISD)》なんかは耐えるデッキにはピッタリだった。


そんなこんなで赤と緑でコントロールを組む事になった。 
ISDが発売してから結構な時間が経った事でアーキタイプの研究が大分進んだ今日この頃。

そんな中で最近お気に入りなのが赤緑コントロール。

アンチビートダウンというスタンスが環境に逆境してて実に俺好み。

環境的にコントロール自体が珍しいのだがその中でもあまり聞きなれない色の組み合わせだと思う。《燃え立つ復讐/Burning Vengeance(ISD)》のようなデッキの代名詞となるカードが存在しないのでデッキを一言で説明するのが難しいのだがやっている事は至ってシンプル、序盤は除去で捌いて後半ファッティで勝ついわゆる赤緑ランプに分類されるデッキだ。

そもそもコントロールデッキが組みにくいのは除去が弱いのとアドバンテージの取れるカードが少ない事に起因する。ただ環境に『少ない』だけであって『存在しない』わけではない。(まあ存在していたとしてもコストが非常に重かったり、条件が有ったりして総じて使いにくいわけだが…)

結局型に嵌れば強いが使いにくいが為に流れてきやすいカードを上手く利用するのがこのデッキのキモだ。

今のメタゲーム環境も非常に追い風。

アーキタイプと環境の認識が共通化していく上でメタゲームが生まれる。

除去が弱い→コントロールが弱い→妨害されにくい

ビートデッキが強くなる→軽いパーツの点数が上がる

相手より早くビートする事に主眼が置かれる

コントロール向きの遅くて重いパーツが安くなる。←いまここ

《轟く激震/Rolling Temblor(ISD)》なんかアドバンテージの取れる全体除去にも関わらず(ご丁寧にフラッシュバックまで付いてる)、自軍のクリーチャーまで巻き込む可能性がある為敬遠されがちで流れてくる事もしばしば。(もっとも環境で最メタトップの白を絡めたビートが飛行主体で《轟く激震/Rolling Temblor(ISD)》の効果が薄いというのも勿論ある。)

今回は攻め手に軸のずれたクリーチャーを多く採用しているデッキ(青白、青黒、白緑)をメタのトップに持ってくる所から構想がスタートした。
PV(笑)
http://bcove.me/npzs1a0q

《鏡狂の幻/Mirror-Mad Phantasm(ISD)》

Oh…

RE:

2011年12月11日 連絡事項
旧日記↓
http://burstontime.diarynote.jp/

パスワードを忘れてログインできなくなるという初歩的なミスを犯しました。

コレからの更新はこちらで行いますのでお手数ですが再リンクをお願いします。m(__)m

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